チャットレディの経費にできるのは、仕事に必要で、私用と分けて説明できる費用です。 家賃も、仕事に使う広さと時間の割合なら入れられます。ただ、週3日の配信では家賃は年1万円ほどにしかなりません。経費1万円で減る税金は、会社員の目安で約2,000円です。
この記事は2026年分(令和8年分)の基準で、国税庁の令和8年4月1日現在の案内を確かめました。申告の全体は確定申告の解説、海外サイトの記録はストチャの税金をご覧ください。
経費かどうかの判断は2つだけ
国税庁は、必要経費を「収入を得るために直接かかった費用」と「業務の費用」としています。私用と仕事の両方に使う費用は、業務に直接必要だったことが明らかに区分できる部分だけが経費です。
判断は、次の2つで足ります。
- その費用がなければ、配信や通話の仕事に困りますか。
- 私用の分と分けて、計算を人に見せられますか。
2つとも「はい」なら入れられます。「仕事にも使うかもしれない」だけでは足りません。
チャットレディの経費の一覧
| 費用 | 入れ方 | 計算例 | 注意 |
|---|---|---|---|
| スマホスタンド、照明、カメラ | 仕事専用なら全額 | 買った額 | 10万円以上は下の表 |
| イヤホン、スマホ本体 | 仕事の割合 | 3割なら3割 | 使う時間のメモを残す |
| スマホ代、ネット代 | 仕事の割合 | 年6万円×30%=1.8万円 | 割合の根拠を書く |
| 配信専用の衣装 | 配信だけで着るなら全額 | 買った額 | 普段も着る服は入れにくい |
| 送金の手数料 | 全額 | 明細の額 | 報酬の記録と一緒に残す |
| 配信で使う小物、背景の布 | 仕事専用なら全額 | 買った額 | 私物と分ける |
| 家賃、光熱費 | 広さと時間の割合 | 次の章 | 計算を残す |
家賃は経費になる?面積と時間で按分する計算
家賃は、仕事に使う広さと時間の割合なら経費にできます。 国税庁は決まった計算式を示していません。だから、説明できる式で計算して残すことが大事です。
ここでは、説明しやすい例として、面積と時間を掛ける計算を示します。
前提: 家賃は月8万円(年96万円)、部屋は30㎡、配信に使うのは6㎡(20%)です。月は720時間(30日×24時間)で計算します。
| 配信の時間 | 時間の割合 | 家賃の経費(96万円×20%×時間の割合) | 減る税金の目安(20%) |
|---|---|---|---|
| 月36時間(週3日、1日3時間) | 5% | 9,600円 | 約1,900円 |
| 月80時間(週20時間) | 約11% | 約2.1万円 | 約4,300円 |
| 月160時間(週40時間) | 約22% | 約4.3万円 | 約8,500円 |
副業の時間なら、家賃の経費はこの程度です。 ネットで見かける「家賃の3割」のような数字は、仕事の量が伴わないと説明できません。
配信専用の部屋がある場合は、 時間の割合を掛けない考え方もあります。その部屋を私用に全く使わないことが条件です。上の例で6㎡を専用にしていれば、96万円×20%=19.2万円です。寝室の一角では、これは言えません。
光熱費も同じ割合で計算できます。ただし、時間は家賃と同じ数字をそのまま使ってください。項目ごとに割合が違うと説明しにくくなります。
経費にしにくい例
生計を一にする親や夫に払う家賃は、経費になりません。ただし、その親から業務のために借りた建物にかかる固定資産税などは、業務用の部分を経費にできます。ふだんの暮らしの費用をすべて入れてしまうと、調査のときに説明できず、加算税がかかることがあります。
10万円の境目:機材をどう入れるか
10万円以上のものは、買った年に全部入れられないことがあります。
10万円未満
- 入れ方
- 使い始めた年に全額
- 例
- 8万円の照明セット → 8万円
10万円以上20万円未満
- 入れ方
- 3年で均等も選べる
- 例
- 15万円のパソコン → 年5万円×3年
20万円以上
- 入れ方
- 耐用年数に分ける
- 例
- 国税庁の耐用年数表
青色申告で要件を満たす人
- 入れ方
- 40万円未満は全額の特例(令和8年4月以降の取得)
- 例
- 副業の雑所得は青色申告でなく対象外
私用にも使うなら、さらに割合を掛けます。 15万円のパソコンを半分仕事で使うなら、5万円×50%=2.5万円を3年間入れます。
10万円かどうかは、割合を掛ける前の、本体の値段で見ます。
経費で税額はいくら変わるか
会社員で、報酬が年100万円の例です。確定申告の解説と同じ、所得税10%、住民税10%で計算します。
| 経費 | 所得 | 税金の目安 | 経費なしより減る額 |
|---|---|---|---|
| 0円 | 100万円 | 約20万円 | - |
| 5万円 | 95万円 | 約19万円 | 約1万円 |
| 20万円 | 80万円 | 約16万円 | 約4万円 |
| 50万円 | 50万円 | 約10万円 | 約10万円 |
覚えておきたいのは、1万円使って戻るのは約2,000円ということです。 8,000円は手元から出ていきます。節税のために物を買うのは、ほとんどの場合、損です。
税率が違う場合の、経費1万円の効果です。
| あなたの状況 | 税率の目安 | 経費1万円で減る額 |
|---|---|---|
| 会社員(所得税10%) | 所得税10%+住民税10% | 約2,000円 |
| 課税所得が195万円未満 | 所得税5%+住民税10% | 約1,500円 |
| ほかに収入がなく所得104万円以下 | 所得税0%+住民税10% | 約1,000円 |
ただし、経費を正しく入れると、基準の内側に入ることがあります。 会社員で所得が21万円なら、経費があと1万円あれば20万円になり、確定申告の基準からは外れます。住民税の申告は別に必要です。扶養の所得62万円も同じです。
注意:税の経費と、健康保険の扶養で認められる経費は別です。 減価償却費や衣装代を認めない健康保険組合があります。扶養の基準で比べました。
記録の残し方
全部をきれいに整える必要はありません。次の4つだけ残してください。
- 領収書やレシート。 ネットの買い物は注文の画面や明細を保存します。
- 月ごとの一覧表。 日付、相手、内容、金額、仕事の割合を書きます。
- 按分の計算メモ。 面積、月の時間、計算式を年に1回書きます。部屋の見取り図があると説明しやすいです。
- 配信の時間の記録。 時間の割合の根拠になります。カレンダーに書くだけでも大丈夫です。
一覧表の形は、これで足ります。
| 日付 | 相手 | 内容 | 金額 | 仕事の割合 | 経費の額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026/4/10 | 家電店 | 配信用の照明 | 実費 | 100% | 実費 |
| 2026/4/30 | 通信会社 | ネット代4月分 | 実費 | 30% | 実費×30% |
5年を目安に残してください。 業務に係る雑所得で前々年の収入が300万円を超える人、事業所得の人には、書類の保存が義務づけられています。書類は5年、法定の帳簿は7年です。 収入が少なくても、説明の材料になるので同じように残しましょう。
副業の雑所得が赤字でも、 給与と相殺はできません。 赤字を作って本業の税金を減らす、ということはできないので覚えておいてください。
報酬の記録も一緒に作る
経費を引くには、もとになる報酬の合計が必要です。
始める前の方は、手取りのシミュレーションで月の報酬の見当をつけておくと、どれくらい経費を気にすればいいか分かります。報酬の管理がしやすいほうを選ぶ、というのも1つの決め方です。


